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    青年海外協力隊・派遣前訓練は楽しい?詳しい生活を公開!

    青年海外協力隊の派遣前訓練

    青年海外協力隊に合格したら、任国へ派遣されるための準備として派遣前訓練が約70日間あります。

    • 派遣前訓練ってどんなことするの?
    • 一日のスケジュールが知りたい。
    • 語学はどれくらいまで上達する?
    • 訓練って楽?それとも厳しいの?
    • 買い物とかできる?
    • 休みはあるの?

    青年海外協力隊として任国へ行くための準備は語学だけではありません。

    語学以外に、約80個の講座を受ける必要があります。

    そのため70日間は結構忙しいです。

    私はヨルダンの青年海外協力隊員として、二本松訓練所で訓練を受けました。

    体験を踏まえて、訓練所の生活を紹介します。

    目次

    青年海外協力隊・派遣前訓練の目的

    青年海外協力隊・派遣前訓練の講座一覧

    青年海外協力隊員としての姿勢や、言語の習得、異文化の理解などを約70日間の合宿で学びます。

    訓練で学ぶことは以下の5点です。

    1. JICA海外協力隊の基礎
    2. 語学訓練
    3. 健康・安全管理
    4. 異文化理解
    5. 活動協力(地域実践)

    ① JICA海外協力隊の基礎

    国際協力やJICA事業・ボランティア事業について学びます。

    例えばODA(政府開発援助)の現状について外務省の方がきてお話ししてくれたり、青年海外協力隊の歴史について学んだりします。

    国の税金を使ってボランティアを行う、という意識が高まります。

    ② 語学訓練

    訓練の6割は語学訓練です。

    1クラス5~6人の少人数制で、任国で必要となる言語をしっかり学びます。

    ③ 健康・安全管理

    婦人科や歯科衛生、感染症など、任国で健康に過ごすための基礎知識や予防の知識を学びます。

    そのほかランニングやラジオ体操を毎朝行ったり、訓練中盤にはスポーツ大会もあります。

    体力テストもあり、

    • 握力測定
    • 反復横跳び
    • シャトルラン

    など、中学・高校でやったようなテスト項目もやります。

    (2022年の情報では朝のランニングやラジオ体操は廃止されているそうです。)

    みず

    朝が苦手な私にとって早起きはしんどかったですが、スポーツは隊員同士の交流も深まって面白いですよ。

    安全管理の講座では警察官の安全対策アドバイザーが来て、海外における危険や交通の安全対策を教えてくれます。

    スリやセクハラなど、協力隊員があいやすい被害と状況を想定しながら、デモンストレーションして学んでいきます。

    海外での安全対策を知っているか知らないかは、無事帰国できるか明暗を分けると言っていいほど、大事な知識です。

    参考までに、私が実際に被害にあったことを以下の記事にまとめています。

    ④ 異文化理解

    日本と外国の文化の違いは、宗教が関係しています。

    外国で生活をするということは、宗教の理解が大切です。

    なぜなら国の行事も人々の習慣も、宗教が元になっていることが多いからです。

    急に祝日になったり、宗教的断食で現地の人がぐったりしていて活動にならなかったり…。

    すべての協力隊員が宗教に振り回されるといっても過言ではないです。

    授業では異文化理解を深めたり、世界の宗教や日本人の宗教観を学びます。

    他には世界経済の動きを疑似体験できるゲームもします。

    「貿易ゲーム」といって、紙(資源)や道具(技術)を不平等に与えられた複数のグループ(国家)の間で、出来るだけ多くの富を築くことを競うゲームです。

    情報格差、価格変動、ブランド力など、先進国側と発展途上国側、それぞれの立場から見える課題があり、国同士が協力する大切さを学びます。

    ⑤ 活動協力(地域実践)

    実際に農家や保育所、施設などに数日間派遣されて、作業を手伝ったりします。

    任地での活動のシミュレーションにもなる実践的な訓練です。 

    協力隊員5~6人が一つのグループになって派遣されます。

    私がアスパラガス農家に行きました。

    アスパラガスの苗を植えたり、ビニールハウスの骨組みを作ったりする手伝いをしました。

    農家の方々がとても親切にしてくださり、収穫したてのアスパラガスが甘かったという驚きは今でも忘れません☺

    青年海外協力隊・隊次別の訓練開始時期と派遣時期

    スクロールできます
    訓練開始時期派遣時期
    1次隊4月6~7月中
    2次隊7月9~10月中
    3次隊10月12~1月中
    4次隊1月3~4月中

    派遣される国や言語の違いに関係なく、訓練開始日は同じです。

    日本出国の日は、任国によって違います。

    そのため2年後の帰国日も違うので、同じ隊次でも帰国後は会えない仲間もいます。

    派遣前訓練の一日のスケジュール

    スクロールできます
    時間日課
    6:30朝の集い(人員報告や連絡事項、朝の運動など)
    7:10朝食
    8:45授業開始(1~3限、50分授業)
    11:40昼食
    13:00授業開始(4~7限、50分授業)
    17:00オリエンテーションなど
    18:00夕食
    19:00自習(語学学習や自主講座など)
    22:40所在確認(班ごとに人員確認)
    23:00消灯

    派遣前訓練の一日のスケジュールを表にしました。

    訓練所に入所すると生活班語学班に分けられます。

    生活班は派遣国、言語、男女混合で、15人前後のグループです。

    語学班は入所時に語学テストを受けて、その結果から分けられた5,6人のグループです。

    朝の集いやオリエンテーション、所在確認は生活班で、授業は語学班で動くことが多いです。

    1~5限までが語学授業、6,7限にボランティアの基礎知識や安全管理などの授業を受けます。

    朝が苦手な人にはハードスケジュールですね。

    6時半には集いの場所に整列しておかないといけないので、早く起きて身支度をしておかないといけません。

    しかも人員確認があるので遅刻するわけにもいかず…。

    遅刻したり集団行動を乱すようなことがあれば、他の隊員から冷たい視線を浴びます。

    みず

    整列した隊員の中へ、猛ダッシュで滑り込んだあとの疎外感…怖かった😂

    23時の消灯は、個室以外の場所(廊下や階段、トイレなど)の電気がすべて消えます。

    個室は電気をつけておいても良いですが、鍵を必ず閉めなければいけません。

    当番が消灯後に巡回し、

    • 共有スペースは片付いているか
    • 個室の鍵は閉まっているか(当番がドアノブをガチャガチャ回す)

    などを確認していきます。

    もし、

    • 物が放置されている
    • 個室の鍵がかかっていない
    • 個室から出歩いている

    などが見つかると、翌朝の朝の集いで、全員の前で注意されます。

    「〇班、共有スペースにマグカップが放置されていました。」みたいな感じで…。

    注意される回数が一定に達すると、早朝の掃除などのペナルティがあります。

    みず

    軍隊っぽいです…。

    任国で安全に過ごすために必要である、

    • ルールを守ること
    • 集団行動

    の訓練なのでしょうね。

    派遣前訓練の休日は日曜日のみ

    派遣前訓練の休みは日曜日のみ

    派遣前訓練中は土曜日・祝日も17時まで授業があります。

    訓練所入所から約2,3カ月後には任国に行くので、やらないといけないことが多くて連休はありません😭

    休日は訓練所からバスと電車に乗って、イベントに参加したり郡山駅の駅ビルで気分転換したりできます。

    高速バスに乗って仙台観光へ行くこともできますよ。

    (写真は休日に福島県二本松市の桜まつりに参加したときのもの(4月中旬))

    二本松訓練所の設備

    二本松訓練所の宿泊棟

    個室

    隊員1人1人に個室があります。

    個室には机、ベッド、60cm幅くらいのクローゼット、窓のとてもシンプルな設備があります。

    広さは3~4畳ほどです。

    壁は薄いので周りの会話がよく聞こえます。

    各部屋にエアコンは無いので、訓練時期によってはしんどいかもしれません。

    私は1次隊で4~6月の訓練だったので、寒さ・暑さは特に問題なかったのですが、

    二本松訓練所は最高気温30度(8月)、最低気温マイナス3度(1月)と、

    夏は暑く、冬は雪が積もってかなり寒いそうです。

    ちなみに4月でも夜はジャケットが必要でした。

    洗濯室

    無料で使える洗濯機と乾燥機があります。

    洗剤や柔軟剤は各自用意します。

    乾燥室もあり、ワイシャツなど型崩れしやすいものや乾きにくいズボンなどはこの部屋で乾燥できます。

    共同で使うので、汗をかく授業のあとに混むことはしばしば。

    浴室

    共同風呂で授業以外の時間に利用できます。

    脱衣所も浴室内も綺麗でした。

    シャンプーや石鹸、ドライヤーはないので用意する必要があります。

    パソコンルーム

    インターネットにつながった数台のパソコンがあります。

    個人的にはあまり使う機会はありませんでしたが、グループ発表や自主講座などで隊員同士のミーティングなどで利用されていました。

    Wi-Fiは遅い

    設備上の問題なのか、訓練所が山の中だからなのかWi-Fiはかなり遅いです。

    IT系の隊員たちが改善しようといろいろ試みてくれたのですが、解決せず…。

    スマートフォンが古く、充電が無くなりやすい場合はバッテリーを持って行った方が良いかもしれません。

    私は当時3年使用したiPhoneを持っていきましたが、電波の悪さで電池の消耗が激しく、半日くらいで充電が無くなっていました。

    訓練所を出て地元に戻った時には、電池の消耗は普通に戻りました。

    二本松訓練所は出張販売がある

    ご覧のとおり、二本松訓練所は山の中にあり、周囲には何もありません。

    あるのは自然道路のみです。

    山のふもとには旅館やレストラン、お土産屋がありますが訓練所から歩いて片道20分くらいかかります。

    そのため週に2回、地元商店の方が出張販売に来てくれます。

    授業で必要な文房具やカップラーメン、お菓子などが気軽に購入できるので、とてもありがたいです。

    みず

    ちなみに訓練所から外出する場合は、貸し出しの熊鈴を持って歩かなければいけません。

    ネットで購入したものを訓練所に送ってもOK

    訓練所生活が始まって、必要になるものもたくさん出てきます。

    そんなときはネットで購入したものを訓練所で受け取ることができます。

    これはかなり便利ですよね。

    例えば、私は服を買いました。

    訓練が始まった4月初旬、二本松の最高気温は15度前後、夜は5度前後になるため、ジャケットやトレーナーなど厚手の服を用意していました。

    しかし訓練が終わる6月中旬には気温が20度を超え、半袖など薄手の服を持ってきていなかったのでネットで購入して訓練所に送りました。

    ネットは便利ですが、服を増やしたくない人は訓練所の気温をチェックしておいた方が良いです。

    もちろん、入所・退所の時には、宅急便で訓練所や実家などへ自分の荷物を送ることもできます。

    持ち込み禁止の物4つ

    訓練所には持ち込み禁止の物があります。

    1. 酒類
    2. 冷暖房器具
    3. お香・アロマなど火を使用するもの
    4. 個人の車やバイク、自転車など

    ルール違反があると退所処分になることも…。

    しっかり守っていきましょう。

    訓練所での身だしなみ

    語学訓練や講座を受けるときの服装は基本的にスーツです。

    靴も革靴やパンプスです。

    スポーツをするときには体操着や体育館シューズ、自室がある生活棟では私服やスリッパでOKです。

    入所後すぐに公用旅券(パスポート)の写真撮影があります。

    頭髪の色が奇抜だったり、カラーコンタクトをしている場合は、公用旅券の写真として認められない場合があるので注意が必要です。

    持ち物について、詳しくは下の記事をご覧ください。

    派遣前訓練で語学は中学生レベルまで上達

    アラビア語クラスの単語学
    アラビア語クラス

    訓練期間70日間のうち、6割の時間を費やす語学訓練。

    どれくらいまで語学が上達するのか気になりますよね。

    私はアラビア語をゼロから習いましたが、最終的に道案内やショッピングでの簡単な注文ができるくらいまで上達しました。

    義務教育の英語学習で言うと、中学生レベルくらいです。

    アラビア語に限らず、他の言語も中学生レベルくらいまで習います。

    英語を学習するクラスは実践的な会話やプレゼンテーションができるよう、高いレベルまで学習します。

    義務教育の英語でも数年かけて習うことを、たった70日間でここまでやります。

    初めて習う言語の場合、文字や発音を覚え、単語の暗記や文法の学習…かなりハードです。

    こんなに短期間でしっかり語学学習をする施設はJICAの訓練所以外無いと思います。

    テストの点数が悪ければ訓練中断もある

    語学訓練中に3回テストがあります。

    1回目はクラス分けテストです。

    訓練所入所前に語学の事前課題が出されるのですが、しっかりやっておけば高得点はとれます。

    やらなければ置いてけぼりになって、語学訓練はかなり苦労します。

    1回目のテストで訓練中断ということは無いですが、問題は2,3回目のテストです。

    2回目は中間試験、3回目は最終試験です。

    中間・最終試験では記述と会話のテストがあり、点数が悪ければ訓練が中断することもあります。

    私の隊次でも数名、中断しそうな人、中断した人がいました。

    その数名は英語を学習者でした。

    もともと英語は義務教育でも勉強するので、語学訓練ではかなり高いレベルが求められるようです。

    訓練期間はかなり忙しいけど楽しい!

    訓練所での約70日間は授業も詰まっていて本当に忙しいです。

    しかし国は違えど、これから世界に飛び立つ仲間とつながったことは本当に貴重なことでした。

    学生の時に戻ったように軽いノリで他の隊員と話ができたり、自身も気を張らず自然体でいられたので楽しかったです。

    派遣国が違う隊員とはたった70日間の関係でしたが、7年以上たった今でも、時々連絡を取り合う仲です。

    あまり馴染みのなかった職業の人や新卒の人、第一線で活躍しているシニアボランティア、いろんな背景の隊員と関わることはすごく面白ろかったし、価値観の勉強にもなりました。

    もし今、あなたが仕事や学生生活を続けていて、日常に変化がないし日々悶々と過ごしているのなら、

    ぜひ青年海外協力隊に参加してください。

    訓練所生活、任国での活動、そして帰国後…

    日常がワクワクするほうへどんどん変化しますよ。

    まとめ

    • 約70日間の訓練はかなり忙しい。
    • 訓練所のルールは守るべし。
    • 知り合った仲間はとても貴重。
    • 学生の頃に戻ったようで楽しい。
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