- 協力隊で活動しているイメージがわかなくて、応募書類が書けない
- 新卒で参加した人の体験談が聞きたい
- 帰国後の協力隊OB・OGはどんな人生を歩んでいるの?
青年海外協力隊の体験談は何となく知っているけど…
いざ応募書類などで言語化しようとしたら、意外と難しいですよね。
説明会で会った協力隊OB・OGは、自分と参加形態(現職・退職・新卒)や職種が同じわけではないので、知りたい情報が得られない場合もあります。
そして帰国後…日本で社会復帰できるかどうかも心配になりますよね。
そこで今回は
青年海外協力隊がつくる日本-選考試験、現地活動、帰国後の進路-
という本を紹介します。
この本は、編著の清水正さんをはじめ、参加形態や職種が異なる青年海外協力隊OB・OGの応募から帰国後までの体験談がとてもリアルに書かれています。
10人もの体験談が寄せられているので、自身と共通する部分が見つかり、応募書類や帰国後の進路のヒントが得られるようになっています。
そのため、
- これから青年海外協力隊に応募する人
- 新卒で協力隊に参加したい人
- 帰国後の協力隊員がどうなったか知りたい人
にはオススメな一冊です。
この本を読めば、自分がどのようにボランティア活動していくか、
そして帰国後はどのような人生を歩んでいくのかがイメージできるようになります。
『青年海外協力隊がつくる日本』とは
『青年海外協力隊がつくる日本』とは青年海外協力隊OBである、清水正さんが書き、編集した本です。
初版は2011年1月20日、第2版は2016年5月31日に発行されています。
青年海外協力隊の一般的な情報や、協力隊OB・OGの応募から帰国後までの体験談が書かれているため、
- 青年海外協力隊はどんな組織なのか
- ボランティア活動はどんなことをするのか
- 帰国後は何をしているのか
がこの一冊でわかります。
編著:清水正
1965年生まれ。1988年北海道大学農学部林学科卒業。1994年オランダ・ワーグニンゲン大学修士(熱帯林業)修了。青年海外協力隊(ネパール)、(財)国際開発高等教育機構(FASID)、ECOSUR(メキシコ)、JICA専門家(ネパール、ボリヴィアおよびペルー)、国際連合食糧農業機関(FAO)本部勤務、米州開発銀行(IDB)本部・持続的可能なエネルギー及び気候変動課を経て、現在、株式会社タック・インターナショナル主任調査員(在オランダ)
Amazonより引用
あらすじ
「熱い心」「愛する心」「遊び心」協力隊が日本を変える!本音トークもすべて公開します!
Amazon商品ページより引用
第1部 青年海外協力隊とは?
- 青年海外協力隊における一般知識
- 青年海外協力隊の特徴
- 青年海外協力隊への参加に向けて(応募方法や、現職参加制度、合格に至るまでの過程)
- 帰国後の進路について
- 協力隊経験者の社会還元
第2部 青年海外協力隊OB・OG体験談
- 協力隊への現職参加
- 退職による協力隊への参加
- その他(フリーターからの参加、大学休学組、大学新卒組等)
第3部 青年海外協力隊座談会『これから協力隊を目指す人たちへ』
発売日:2011年1月20日(初版)、2016年5月31日(第2版)
単行本価格:800円(税抜き)
ページ数:228ページ
『青年海外協力隊がつくる日本』がオススメな人
『青年海外協力隊がつくる日本』は以下のような方にオススメです。
- これから青年海外協力隊に応募する人
- 新卒で協力隊に参加したい人
- 帰国後の協力隊員がどうなったか知りたい人
それでは具体的に解説していきます。
「これから青年海外協力隊に応募する人」にオススメな理由
「これから青年海外協力隊に応募する人」にオススメな理由は、
応募書類や面接の対策ができる
ためです。
青年海外協力隊の応募書類や面接で、
- 途上国で働く上で想定される自分の弱点は?
- どのようなボランティア活動を行う予定か?
という事が必ず問われます。
青年海外協力隊に応募する多くの方は、途上国で仕事や生活の経験がありません。
そのため、自分の弱点も、どんな活動を行うのかも、想像がつかないですよね。
自分なりの答えがまだ見つかっていない方には、この体験談を読んで
- ストレスを感じそうなこと
- 私ならこんな活動ができるかも
と自分と照らし合わせて読んでみると、より具体的な答えが導きだせるかもしれません。
特に協力隊OB・OGの話を直接聞いたことが無い人は、本書のどの体験談も読むべきです。
「新卒で協力隊に参加したい人」にオススメな理由
「新卒で協力隊に参加したい人」にオススメな理由は、
新卒やフリーターから青年海外協力隊に参加した人の体験談が、4つも記載されている
ためです。
新卒で参加した人は圧倒的に少ないので、新卒協力隊OB・OGの話を聞ける機会はなかなかありません。
- 社会経験が無い中、活動をどのように広げていったか
- 帰国後の進路や、その後の人生について
など、新卒で参加した協力隊員の様々な経験を知ることができます。
そのため
- どんなことが自分の強みになるかわからない
- 現地で活動できるか自信がない
- 帰国後の進路をどうしよう
このような不安がある新卒の人には、本書の体験談はとても良い参考になります。
「帰国後の協力隊員がどうなったか知りたい人」にオススメな理由
「帰国後の協力隊員がどうなったか知りたい人」にオススメな理由は
協力隊OB・OGが帰国後約15年間でどのような人生を歩んでいるか
を知ることができるためです。
体験談に出てくる隊員たちは1990年前後で青年海外協力隊に参加しています。
本書が出版されたのが2011年なので、記載されている体験談は、帰国後15年以上たった隊員たちのものになります。
- 結婚・出産
- 帰国後の就職
- 派遣国とのつながり
など、2年間の経験がその後の人生にどんな影響があったか、詳しく記載されています。
『青年海外協力隊がつくる日本』のレビュー。3つの良いところ
『青年海外協力隊がつくる日本』の具体的なレビューをしていきますが、この本は
10人の協力隊OB・OGのとてもリアルな体験談がウリです。
値段も800円なので、青年海外協力隊の説明会に行く交通費より安くなることもあり、お得です。
それでは良いところを3つに絞って、詳しく解説します。
- 成功も失敗も、リアルな体験談が書かれている
- 10人の体験談があるので、自分と共通するエピソードが見つかる
- 編集・出版はJICAの直接的な支援を受けていない
成功も失敗も、リアルな体験談が書かれている
- 異文化を感じたエピソード
- 活動が失敗した事や軌道に乗った瞬間
- インフラが不十分な地域での生活方法
など成功も失敗も、リアルな体験談が書かれているので、
「発展途上国で仕事する」ことを深く知ることができます。
例えば、
- 体育が科目として存在しないため、現地のオリンピック選手はでんぐり返しができなかった話(モルディブ)
- 貧困層の子どもたちのために送られた食料が、職員の自宅用の食事に使われていた話(ニカラグア)
日本人からしたら驚くような、青年海外協力隊ならではのエピソードが満載です。
体験談は現在から20年以上前のものですが、
日本人が発展途上国でカルチャーショックを受け、日本という国を改めて客観視する
というのは、これからも変わらないでしょう。
10人の体験談があるので、自分と共通するエピソードが見つかる
本書には参加形態・性別・派遣国・職業がそれぞれ違う、10人の元協力隊員の体験談が書かれています。
そのため、何かしら自分と共通するエピソードが見つかります。
体験談を寄せているのは以下のような協力隊OB・OGたちです。
参加形態 | 性別 | 派遣国 | 職業 |
① 現職参加 | 男性 | モルディブ | 体育 |
② 現職参加 | 男性 | スリランカ | 体育 |
③ 現職参加 | 女性 | ニカラグア | 保育士 |
④ 現職参加 | 女性 | ザンビア | 作業療法士 |
⑤ 退職参加 | 女性 | パラグアイ | 看護 |
⑥ 退職参加 | 女性 | マレーシア | 日本語教師 |
⑦ フリーターから参加 | 女性 | バングラデシュ | 手工芸 |
⑧ 大学新卒で参加 | 男性 | コスタリカ | 野球 |
⑨ 大学新卒で参加 | 男性 | ホンジュラス | 植物病理 |
⑩ 大学院休学で参加 | 男性 | ネパール | 育種 |
これから青年海外協力隊に参加を考えている方にとって、特に参加形態は、帰国後の自分の姿をイメージするのに参考になる内容になっています。
編集・出版はJICAの直接的な支援を受けていない
『青年海外協力隊がつくる日本』は編集・出版に関して、JICAの直接的な支援を受けていません。
そのため、この本に書かれていることは、JICAに対して忖度なしのリアルな情報であることがわかります。
『青年海外協力隊がつくる日本』の口コミ・評判
本書に対するネット上の口コミを紹介します。
「これは確かにそうだな」と感じた部分を引用します。
良い口コミ・評判
単なる協力隊の活動紹介に留まらず、じゃあ帰国後はどうなったの?経験をどんな風に活かせているの?というところまで掘り下げられている。
これから協力隊を目指そうとしている読者に対して具体的な未来予想を描く助けになっていて、とても良いと思う。
hontoより引用
青年海外協力隊を経て国際協力の道に進んだ人ではなく、帰国後に地域に根ざした活動をしている人に焦点をあてた点が評価できる、ような気がする。
hontoより引用
これから協力隊を目指す人にとって「具体的な未来予想を描く助け」という所が本書のメインかなと思います。
悪い口コミ・評判
10年20年も前の派遣隊員の談なのでちょっと話が古い。
hontoより引用
20年以上も前の体験談なので、派遣国も発展していて、現在の環境とは違いがあるかもしれません。
しかし2023年現在も、派遣国によって自宅に水道が無かったり、洗濯手洗い、停電などは普通にあります。
10人が体験談を語っているのだが、男性5人のうち3人が体育分野だったりと特殊なケースに偏っているように思った。
紀伊國屋書店より引用
確かに、体育系隊員の体験談が多いように思います。
【注意】『青年海外協力隊がつくる日本』の選考試験の情報は古い
2011年の初版を読む場合、選考試験についての情報は古いので注意が必要です。
本書では一次選考は、
- 技術
- 英語
- 協力隊員適正テスト
を各都道府県で受験する
と書かれていますが、現在の一時試験は、選考書類と英語資格(TOEICや英検)の提出のみになっています。
まとめ:『青年海外協力隊がつくる日本』はこれから参加したい人にオススメ
『青年海外協力隊がつくる日本』の体験談は20年以上前と古いものの、OB・OGの参加した経緯から、活動で苦労したこと、帰国してからの進路が分かります。
体験談に出てくる話と、自身の活動内容や帰国後の進路がすべて同じになることはあり得ませんが、
- 2年間発展途上国で働き、暮らすこと
- 帰国後の進路は選択肢が多いこと
を感じ、自身に置き換えて想像できる内容になっています。
特に、
- これから青年海外協力隊に応募する人
- 新卒で協力隊に参加したい人
- 帰国後の協力隊員がどうなったか知りたい人
には、ぜひ読んでほしい一冊です。