- 志望動機は何を書けば合格するの?
- 志望動機の文章を上手くまとめるコツが知りたい
今回はこのような疑問に向けて、志望動機を応募用紙に書く時のポイントを紹介します。
この記事を読めば以下のことが分かります。
- 志望動機のポイントと実例
- 志望動機の文章を上手くまとめるポイント
ご参考までに、私が青年海外協力隊に合格したときの志望動機の実例も公開します。
また、文章がごちゃごちゃしてまとまらないという人に向けて、文章を応募用紙の字数制限である300字前後に上手く収めるポイントについても解説します。
志望動機は二次選考の人物面接でも必ず聞かれます。
そのため、志望動機がブレないよう、本心をありのまま記載して一次選考突破を目指しましょう。
- 元青年海外協力隊員
- ヨルダンの支援学校とリハビリ施設に配属
- 子ども専門の理学療法士
- 30代女性
JICA/青年海外協力隊の志望動機はなんでもOK
結論から言います。
志望動機は基本的に何を書いても大丈夫です。
なぜなら、採用者は以下のことが知りたいためです。
- 派遣先の要請に対応できるスキルはあるか
- どうして青年海外協力隊なのか
- 青年海外協力隊でやりたいことは何か
正解はありませんし、採用者ウケを狙ったような美しくてカッコいい文章も必要ありません。
採用者ウケを狙うというのは、例えば「世界の人にこの身を捧げたい!」や「私が世界を救う!」のような、規模が大きすぎる志望動機です。
「やる気アピール」には良いかもしれませんが、読者側からすると内容が想像しづらくなります。
もちろん本心ならば構いません。
しかし「協力隊に参加したい」という気持ちは、応募者それぞれの個人的なエピソードから生まれるので、気持ちをありのまま書くのがポイントです。
志望動機は二次選考の面接でも具体的に聞かれます。
【2024年春募集対応】志望動機のポイントと実例
ここからは、私が合格したときに書いた志望動機の実例を紹介します。
応募用紙で問われている志望動機の項目は以下の6つです。
- ボランティア活動の意義、目的について
- JICA海外協力隊に参加する動機、抱負
- 職種の経験や自身の強み、貢献できること
- 協力隊として活動していく上での自身の弱点
- どのようなボランティア活動を行っていくか
- 帰国後、協力隊の経験をどう生かすか
各項目は200~400字以内で記述します。
それでは実例を紹介していきます。
① ボランティア活動の意義、目的について、ご自身の考えを記述してください。(100~260字)
ボランティア活動というのは定義が難しいので、記述の中で一番悩む質問だと思います。
考えを自由に書きましょう。
暴力的だったり危険を感じるような内容でなければ問題ないと思います。
私が書いた文章の要点です。
- 相手が求める事を善意で行う
- できることを自分で見つける
実例の全文
自ら進んで仕事を見つけ、相手が求めるサポートを善意で行う活動だと考えています。
中学生の時、初めて介護施設でボランティア活動をしました。
最初私は見ているだけでしたが、服が脱げなかったり落ちた物が拾えなかったり、忙しいスタッフの注意が行き届かないところで困っている利用者に気づくようになりました。
脱衣を手伝ったり、物を拾ってあげると「ありがとう」と言われ、充実感がありました。
自分ができることをまず見つけ、相手が求めていることを率先して提供することがボランティアの目的だと思います。(247文字)
② JICA海外協力隊に参加する動機、抱負について記述してください。(100~260文字)
この質問は、「どうして青年海外協力隊なのか」というのを採用者が知るために設定されています。
記述するときのポイントは以下の2つです。
- 青年海外協力隊を知ったきっかけ
- 参加することで自分がどうなりたいか
以下は私が書いた文章の要点です。
- 協力隊OBである先輩方の姿勢に感銘を受けた
- 帰国後は私も先輩方のように視野を広げたい
実例の全文
職場の先輩2人のコミュニケーション能力高さと物事を多面的に理解しようとする姿に感銘を受けたのが参加動機です。
その先輩は2人とも青年海外協力隊OBです。
2人の先輩の共通点は患者や家族の話を真摯に受け止め寄り添っている事、トラブルに対して冷静に対処してる事でした。
青年海外協力隊に参加すると生活では異文化を受け入れ、活動では価値観の違う現地の人とコミュニケーションを取る必要があります。
他者の考えを尊重し、物事に対しての視野を広げる体験をすることで、私も帰国後に社会還元をしていきたいです。(251文字)
③ 希望職種に対するご自身の経験や強みを具体的に挙げ、どのような要請に対して貢献できると思うか、記載してください。(100~260文字)
この質問は、「派遣先の要請に対応できるスキルがあるか」というのを採用者が知るために設定されています。
記述するときのポイントは以下の2つです。
- 専攻科目や専門分野の具体的な経験年数や内容
- 自分の専門分野と要請内容の共通点
狙った要請内容に対して、自身の経験をしっかりアピールしてください。
以下は私が書いた文章の要点です。
- 小児理学療法に4年間携わっている
- 生活環境改善の指導をした経験もある
実例の全文
小児の理学療法が求められ生活環境にも介入する必要のある要請で、自身の経験が貢献できると考えています。
私は4年間、小児専門のリハビリ病院で理学療法士をしています。
0歳から60歳までの脳性麻痺やダウン症の運動療法、自宅プログラムの立案、家庭訪問を行った経験があります。
入浴やトイレ介助では、患者の運動機能を生かした介助方法を保護者と共有しました。
生活環境の介入は性別も重要なため、女性患者に対して私ならではのアプローチができるのではないかと考えています。(233文字)
④ JICA海外協力隊に参加される際に想定されるご自身の弱点を記述してください。(300文字以下)
この質問は「海外生活におけるリスクに対して、受験者にどれだけ想像力あるか」というのを採用者が知るために設定されています。
記述するときのポイントは以下の2つです。
- 海外旅行などで自分が難しさを感じた事
- 協力隊OBの苦労話から感じた事
以下は私が書いた文章の要点です。
- コミュニケーションの難しさ
- 異文化に対しての知識不足
実例の全文
二点あります。
一点は言葉の違いからコミュニケーションを取る難しさがある事。
もう一点は文化の理解が足りないため現地の人に不快な思いをさせてしまったり、自分の身に危険が及ぶ可能性がある事です。
日本人同士では気にならない言葉や行為も、現地の人にとっては侮辱行為になることがあります。
そのため普段から現地の人とのコミュニケーションをこまめに図り、語学力の向上や異文化理解を積極的に行う必要があると考えています。先輩隊員からも派遣国の文化に関する情報収集を行っていきたいです。(241文字)
⑤ 実際に派遣された場合、どのようなボランティア活動を行うのか、活動内容、日常生活を含めて具体的に記述してください。(400文字以下)
この質問は、「派遣先の要請にどれだけ対応できるか」と「青年海外協力隊でやりたいことは何か」というのを採用者が知るために設定されています。
記述するときのポイントは以下の2つです。
- 活動で何を意識したいか
- 現地の人との関係づくりはどうしたいか
実際に現地に派遣されるまでは誰も想像できないので、難しい質問ですよね。
なので、今の理想をしっかり言葉にしましょう。
以下は私が書いた文章の要点です。
- 現地に根付くような活動をしたい
- 現地の人とのコミュニケーションを大切にしたい
実例の全文
活動ではまず理学療法士のマンパワーとして働き、派遣国の文化・宗教を理解した上で、私がサポートできることから行動していきます。
私がいなくなった後も、現地の人々が再現できるように常に意識して活動します。
理学療法は他職種との関係も重要なので、派遣先の同僚以外のスタッフともコミュニケーションをしながら連携し、患者と家族がより良い暮らしになるように周囲を巻き込んでいきたいです。
生活では健康と安全第一に、地域住民とのコミュニケーションを図っていきます。
自身の語学力向上のためと、お互いの文化を理解しあえるような関係づくりをするためです。
現地の人が利用しているスーパーや移動手段などを私も利用し、楽しみながら派遣国の文化に染まっていきたいです。(332文字)
偉そうに記述していますが、現実は想像を超えて山あり谷ありです…。
良ければ以下の記事もご覧ください。
⑥ 帰国後、協力隊参加経験をどのように活かしたいか、記述してください。(300文字以下)
JICA海外協力隊の目的の一つは「ボランティア経験の社会還元」です。
実際、帰国後に何ができるかなんて誰にも想像つきません。
なので、今考えていることを書けば大丈夫です。
記述するときのポイントは以下です。
- どのように社会還元を行っていきたいか
以下は私が書いた文章の要点です。
- 理学療法士として現場復帰したい
- 派遣国とのつながりも維持したい
実例の全文
帰国後は理学療法士として現場復帰を考えています。
志望動機となった協力隊OBのように、患者や家族の問題に対して多面的な支援で解決の提案をし社会還元をしたいです。
もし協力隊に興味を持つ人がいれば参加するサポートをしたり、派遣国の宗教や文化を知りたい人がいれば実際に経験したことを伝えていきたいです。
また派遣国とつながりのあるイベントなどにも積極的に参加し、日本で暮らす外国人との国際交流も継続していきたいです。(209文字
帰国後の協力隊OB・OGについて知りたい人は、「青年海外協力隊がつくる日本」という本がおすすめです。
志望動機は結論から書くことがポイント
志望動機は
結論が先、理由や説明は後に書く
ことがポイントです。
なぜなら大量の応募用紙を読む採用担当者に、自分の志望動機を端的に伝えるためです。
これは「逆三角形型」と呼ばれる文章の型で、数百字で構成されるニュース記事も逆三角形型で書かれています。
逆三角形型の文章のメリットは以下の3つです。
- 言いたいことが明らかになるので、情報を的確に伝えることができる。
- 重要な情報を最初に提供することで、読み手の関心を高める。
- 全部読まなくても概要がつかめるので、読み手の時間をとらない。
例を上げます。
「青年海外協力隊でどんな活動をしたいか?」という質問があったとします。
結論→説明で書いた回答例
私は障がい児の運動発達支援に携わりたい。(結論)
大学在学中にアルバイトで手足に障がいを持つ子どもと触れ合う機会があった。当時は専門的な知識がなく、見守ることだけしかできなかった。
しかし、4年前に理学療法士の資格を取り、小児施設で専門的にアプローチできる知識や経験を積んだため、途上国でも生かせると考えている。
読者が一番気になる「結論」を先に持ってくることで、「どんな経験を積んだのか」という部分にも興味がわきます。
説明→結論で書いた回答例
大学在学中にアルバイトで手足に障がいを持つ子どもと触れ合う機会があった。当時は専門的な知識がなく、見守ることだけしかできなかった。
しかし、4年前に理学療法士の資格を取り、小児施設で専門的にアプローチできる知識や経験を積んだため、途上国でも生かせると考えている。
そのため、私は障がい児の運動発達支援に携わりたい。(結論)
自分の経験(説明)から書くと、結論が最後まで分からず、まわりくどい印象を読者に与えます。
青年海外協力隊の記述は一項目200~400字でまとめます。
思うままに書いてみたら案外文字数が多くなるし、何が言いたいのか書いている本人ですらわからなくなることもあります。
情報を整理して的確に伝えるためには、結論を先に書き、理由や説明で文字数を調整するのがポイントです。
青年海外協力隊の選考で健康診断結果は重要
一次選考の合否判定は、志望動機だけでなく、健康診断の結果も重要です。
なぜぜなら持病が派遣国で悪化したり、場合によっては治療できず命に関わる危険性もあるためです。
つまり、健康診断の結果は合否判定に大きく関わってきます。
発展途上国での生活は想像しているよりもストレスが多いです。
健康診断で良い結果が出るように、健康づくりを心がけましょう。
私は親知らずの抜歯歴などを自己申請しましたが、完治したものについては合否に直結しなさそうです。
まとめ:志望動機は応募の段階でしっかりまとめておこう
一次選考の志望動機では以下のことが問われています。
- 受験者がどれだけ派遣先に貢献できるか。
- 青年海外協力隊の活動を理解しているか。
- 海外生活におけるリスクなど、自分を客観視できるか。
- 帰国後はどうしたいか。
暴力的な内容でなければ、基本的に何を書いても大丈夫です。
重要なのは、志望動機がブレないようにすることです。
なぜなら二次選考の人物面接では口頭で志望動機が聞かれ、さらに突っ込んだ質問をされることもあるためです。
どうして青年海外協力隊に参加したいのか、しっかりと考えて本心をありのまま記載しましょう。
この記事が少しでも参考になれば嬉しいです。