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    【実体験あり】青年海外協力隊員が病気やケガをしたらどうする?

    • 派遣国でどうやって病院受診するの?
    • 医療費はどうする?
    • 派遣が無くなることもあるの?

    生活をしているとケガや病気は誰でもあります。

    日本だと自分で病院を探すことができるし、症状も伝えられます。

    しかし言葉やどの病院に行けばいいのかわからない海外では、どうすれば良いのか想像がつきませんよね。

    私は青年海外協力隊員としてヨルダンに派遣され、病気やケガで現地の病院に行きました。

    二本松訓練所での訓練期間中もケガで病院に通う事がありました。

    実体験を踏まえて、青年海外協力隊ではどのような健康管理の支援が受けられるのかをまとめました。

    これから青年海外協力隊に参加する方、参加したい方またはご家族に向けて、

    健康や安全に関する不安が少しでも和らぐように、知っておいていただきたい内容です。

    目次

    【訓練中】階段から落ちてあごパックリ流血事件

    青年海外協力隊員は合格後、2か月間の派遣前訓練を受けます。

    訓練所は福島県の二本松訓練所と長野県の駒ケ根訓練所の2か所です。

    派遣国によってそれぞれの訓練所に分けられ、私の派遣国ヨルダンは二本松訓練所でした。

    訓練中は語学や国際協力などの研修が、朝から夕方まであります。

    訓練も半ば、事件は起きました。

    朝、語学訓練に行くためスーツに着替えて自分の部屋を出ました。

    開始時間が迫っていたので、すこし急ぎながら階段を降りようとしたとき、

    ローファーのヒールが階段の滑り止めに引っかかり、バランスを崩して前に転倒

    手をつく間もなく、6段下の踊り場にあごから着地

    ガンッ!と頭の中で打ち付けるような衝撃があり、あごを中心に全身がしびれました。

    一瞬何が起こったかわかりませんでしたが「急がないと!」と思ってすぐに起き上がりました。

    すると後ろからきた同期隊員が

    「今すごい音がしたけど、だいじょう…えぇーーーー!!??

    大声をあげてびっくりした様子の同期。

    あごの骨に沿って横に3cmほど皮膚がパックリと裂け、血がぼたぼたと落ちていたのです。

    踊り場は血だまり、ワイシャツは血だらけ、教科書を入れていたトートバッグにも血しぶき…。

    転倒した衝撃で痛みは感じなかったのですが、血だらけの大惨事になっていました。

    訓練所には健康管理室がある

    訓練所には健康管理室という保健室のような所があります。

    そこでは看護師のスタッフがいます。

    私はパックリ割れたあごにハンカチを当て、同期隊員に介抱されながら健康管理室に行ました。

    ケガのいきさつを説明し、看護スタッフが手配してくれたタクシーに乗って整形病院へ向かうことになりました。

    医者に「これは跡が残るねぇ~!」なんて言われながら

    数針縫って、大きなガーゼを貼る処置をしてもらいました。

    (7年経った今も、あごにうっすらと跡が残っています…泣)

    医療費はJICAが負担してくれる

    抜糸などで再び病院に行くときは、午後の研修をお休みしました。

    初診以外は一人で受診し、合計4回通いました。

    病院で治療費を自分で払ったあと、領収書を健康管理室に提出するとお金はすべて返ってきました。

    JICAでは訓練や研修の課業中に発生したケガや病気の場合、以下の支援が受けられます。

    • 医療費や交通費はJICAがすべて負担。
    • 病院の手配。

    ただし、日曜日など訓練がない課業外に発生したケガや病気については、医療費や交通費は自己負担になります。

    課業中・課業外に関係なく、死亡や障害を負った場合はJICAの災害補償制度や国際協力共済会により給付金が支払われます。

    【派遣中】失神して倒れ、床に頭を強打

    ヨルダンに派遣されて1年が経った時のことです。

    その日は週末で活動が休みだったので、同期隊員が私の家に泊まりに来ていました。

    朝、床にしゃがんだ状態から立ち上がった時、立ちくらみがしました。

    最高血圧が100mmHgもない低血圧な私は、よく立ちくらみをします。

    その時も「またか」と思いながら近くの壁にもたれかかった瞬間、

    意識がフッと飛んで気を失いました。

    全身の力が抜けて床に倒れこみ、頭をゴンッと強打。

    ヨルダンの住宅の床は石素材なのでかなりの衝撃だったと思います。

    意識がなかったので覚えていませんが…。

    泊まりに来ていた同期隊員によると、

    仰向けで目は開けていたけど30秒近く反応がなかった」とのこと。

    失神したのは人生で初めてでした。

    頭の左側には直径8㎝くらいの大きなタンコブができました。

    派遣国には日本人の健康管理委員がいる

    それぞれの派遣国にはJICA事務所があります。

    そこには看護師免許を持っている日本人の健康管理委員がいます。

    青年海外協力隊員が派遣国でケガや病気になった場合、健康管理委員に報告する義務があります。

    そのため、人生初めて失神して頭を強打したという事もあり、念のため健康管理委員に報告しました。

    休日でしたが、電話で対応をしてもらいました。

    タンコブ以外の症状はなかったのでその日は報告のみで、週明けに病院に行くことになりました。

    派遣国の病院はJICAが手配・付き添い

    週明け、JICA事務所がある首都アンマンにバスで向かいました。

    隊員がケガや病気になった場合、安心して医療が受けられるようにJICA事務所は現地顧問医を契約しています。

    隊員自ら病院を探す必要はなく、JICAが指定した病院を受診することになります。

    そのため私は健康管理委員と一緒に現地顧問医のいる病院を受診しました。

    病状の説明は、健康管理委員が英語で顧問医に伝えてくれます。

    顧問医の診察を受け、失神や頭を強打しているためMRIを受けることになりました。

    人生初のMRI…。

    結果は異常なし。「脳みそも普通の量だ。」と顧問医に笑いながら言われました。

    この結果は健康管理委員から日本のJICA本部へも報告されます。

    すると今度はJICA本部から、心電図の検査もするように指示がありました。

    大袈裟だ…」と内心思いつつも、健康管理委員と一緒に再び病院を受診し、

    人生初、24時間ホルター心電図検査をすることに。

    胸に電極を張り付けてデジカメサイズの心電計を首から下げ、24時間いつも通り過ごします。

    結果は異常なし。

    失神のためにここまで調べることは日本ではほとんどないです。

    JICAの健康管理支援の体制は抜け目ない

    青年海外協力隊の派遣先である発展途上国では、日本のように救急搬送されたり適切な治療を早急に受けることが難しいです。

    そのためJICAは隊員に対して健康管理に関する手厚い支援を行います。

    これにより病気の早期発見と対応で隊員の命が守られています。

    医療費もすべてJICAが負担してくれます。

    また、隊員が重い病気やケガをして派遣国の医療では対応できない場合、別の国や日本への緊急移送も行います。

    JICAの健康管理支援の体制は抜け目ないです。

    しかし物事の予測ができない発展途上国での生活では、安全と健康は自分で管理して守る事がとっっっても重要です。

    みず

    歩きスマホしてたら確実に車にひかれるよ。
    してなくてもひかれたけど…。(体験済)

    病気やケガの程度によって派遣延期や中断になる

    病気やケガなどで訓練所での課業や派遣先での活動が長期的に行えなくなった場合、派遣中断になることもあります。

    訓練中に足を骨折をした同期隊員は長期間の入院が必要になったため訓練中断となり、次の隊次での派遣になりました。

    また他の隊員は任国に派遣後に命に関わるような食物アレルギーが発覚し、派遣国での生活が難しいとJICAに判断されたため派遣中断・帰国になりました。

    重い病気やケガで長い間治療が必要だったり、派遣国で健康を維持しながら活動を続けることが難しい場合はJICA本部の判断により派遣中断になることもあります。

    まとめ

    • 訓練中や派遣中の医療費はすべてJICAが負担
    • 派遣国にも日本人看護師が常駐している。
    • JICA事務所が現地顧問医を契約している。
    • 派遣国で隊員が利用する病院はJICAが手配する。
    • 病状の説明は健康管理委員の看護師がしてくれる。
    • 重病・重症の場合は別の国へ緊急移送することもある。
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